EVはガソリン車よりどのくらい高価になるのか?

BEV

EVとガソリン車の車両価格を比べると、どのくらい差があるのでしょうか?

エンジンを単純に 電動モーターに置き換えたような場合では

・エンジン → 電動モーター
・燃料タンク → バッテリー
・燃料系配管 → 駆動用高電圧ケーブル類

となりますが、ガソリン車をベースとして単純にEV化したモデルが自動車メーカーから市販されているものはありません。

大抵はEV専用のプラットフォームを作り最適化をさせています。

コスト差をみると言っても 実際 部品の取引価格は何台/月を想定しているかによって変動しますし、車両ごとの細かい装備仕様の差があり、直接的な EV 車とガソリン車の比較は難しいです。

ただざっくりとした比較は可能でしょう。

日産サクラと日産デイズの車両価格差

一例として、軽自動車のEV日産サクラと同じ日産の軽乗用ガソリン車デイズと比較してみましょう。

内外装の主要装備の近い、EVの日産サクラXとガソリン車の日産デイズ2WD Xで車両本体価格を比較すると、

メーカー希望小売価格*
日産サクラ X254万8700円
日産デイズ X147万8400円
*メーカー希望小売価格は2023年11月現在 東京地区 メーカー希望小売価格の参考価格。

車両本体価格だけで、107万円ほどの差があります。ガソリン車からEVになることで約1.72倍。

サクラとデイズ、Xグレードで主要装備はだいたい同じようですが、唯一大きく差があるのは、航続可能距離(満タン/満充電で走行できる距離)です。

一充電走行距離
(WLTCモード)
交流電力量消費率
(WLTCモード)
駆動用バッテリー
総電力量
日産サクラ X180km124Wh/km20kWh
出典:日産サクラ主要装備一覧/諸元表<こちら>
燃料消費率
(WLTCモード)
燃料タンク容量
日産
デイズ X
23.2km/L27L
出典:日産デイズ主要諸元一覧/諸元表<こちら>

カタログ上、EVサクラの一充電走行距離は180km。一方、ガソリン車のデイズは燃料消費率(WLTCモード)23.2km/L、燃料タンク容量27Lなので、計算上は23.2×27≒626km走れます。ここで大きな差があります。

EVはガソリン車よりどのくらい高価になるのか

軽乗用車以外のカテゴリーでのEVとガソリン車の車両価格比較の参考として、2024年5月時点での主要なEVの車両本体価格を航続可能距離とあわせてプロットしてみました。

EVがガソリン車よりどのくらい高価になるのかのイメージはつかめると思います。

※ 車両本体価格は各社ホームページから。航続可能距離は、BEVは一充電走行距離の値、ガソリン車は燃料消費率と燃料タンク容量から概算。

装備仕様が似たようなクルマで比べると、ガソリン車からEVにすることでだいたい100~200万円ぐらいの価格上昇になるようです。

電気自動車EVの航続可能距離は駆動用バッテリー容量に左右されるので、一回の充電で長距離を走ろうとすれば、当然大容量のバッテリーを積む必要がでてきます。

そうなるとバッテリーがより重く、大きく、高価になってしまうので、どの程度に抑えるのかは、クルマを開発・企画する人にとっては悩ましいところです。

まとめ

装備仕様が似たようなクルマで比べると、EVにすることでだいたい100~200万円ぐらいの価格上昇になるようです。

これをみて「EVは高いし、航続距離が短いからダメだ」とか、言うつもりはありません。EVには電動モーター駆動ならではの良さがあります。EVは車両本体価格は高くてもガソリン代と電気代の差額などで走行コストは安いです。いまなら各種補助金もあり車両価格差は少なくなっています。

今後、技術的な改善などが進みさらに価格差が縮まることを期待しましょう。

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