太陽光発電パネルの定格出力の数字まで発電できたことがないんだけど、定格出力ってなに?
我が家の太陽光発電PVモジュールは京セラ結晶系、定格出力3.78kWです。
太陽光発電をはじめて半年たとうとしていますが、モニターを確認しているときに発電量として3.78kWという数字をみたことがありません。
いったいこの”定格出力”ってどんな値なのでしょうか。気になったので調べてみました。
定格出力とは?
「定格出力」とは「公称最大出力」ともいうようで、JIS(日本産業規格)が定義する標準試験条件で算出された太陽光パネルが発電することができる最大出力値になります。
ある決められた条件のもとで出せる最大出力値なので、設置したときの条件がそれよりも悪ければ低喀出力は出せないということです。
もちろん標準試験条件よりも有利なときは定格出力以上出せそうですが、実際にはPVパネル →パワコン →家庭内電源回路 →電気機器で使うので各部のロス分もあり、どうやっても定格出力を期待するのは無理があるようです。
定格出力はなにで決まっているの?
該当するJISの定義をもうすこしみてみましょう。
太陽光発電モジュールは以下のJISが適用されています。
✓ JIS C 61215-1 地上設置の太陽電池(PV)モジュール -設計適格性確認及び型式認証- 第1部:試験要求事項
✓ JIS C 61215-2 地上設置の太陽電池(PV)モジュール -設計適格性確認及び型式認証- 第2部:試験方法
以前はJIS C 8990等でしたが、材質を実態に合わせたり試験内容に着火性試験を追加したり、企画体系を国際規格のIECに整合させ、2020年に上記になりました。
そのなかでどんな条件で試験をするかというと、主な条件としては以下のとおりです。
・太陽光パネルの表面温度:25°C
・日射強度 1kW/m^2
・AM1.5(※)
(※)AMは「エアマス」といって太陽光が地上に届くまでに通過する大気の量のことです。
AM0は大気圏外。
AM1は地上に垂直入射したときの太陽光スペクトル。
AM1.5は垂直に入るときより空気層が1.5倍長くなることですから太陽高度41.8°に相当します。
この標準試験条件で測定されたPVモジュールの出力が定格出力となります。
緯度の高いところの地上に設置することを考えた条件になっているということですね。
定格出力に近づけるためにできることは
ある決められた条件のときに出せる最大出力なので実際の条件が悪ければ定格出力はだせないということです。
もちろん空気の薄い高い山の山頂付近では標準試験条件より有利な条件になりそうですが、一般的にはPVパネル→パワコン→家庭内電源回路→電気機器でつかうので各部のロス分もあり、どうやっても定格出力を期待するのは無理があるようです。
とはいえ定格出力に近づけるには、
・より多くの日射をとらえられるようにPVパネル設置条件を変える
・パネルの温度上昇をおさえる
・効率のよいパワコンを使うなどロスを減らす
などを考えないといけませんね。
補足
JISがでてくるとするとISOにも準拠?
JIS C 61215のもととなる国際基準はIEC 61215です。
PVモジュールのJIS、2020年以前はJIS C 8990で規定していました。
8990は結晶シリコン系モジュール向けで、薄膜モジュールはJIS C 8991で規定していました。
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